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感光する太陽

2018

glass, photographic emulsion

2018.06.30~07.16 美学校ギグメンタ「明暗元年」

 

自室の壁に貼った未現像の印画紙が窓から差す光に照らされる様子を眺めていた。それは、ただ感光し、緩やかに変色する紙に過ぎないのだが、何かを待機する依代のようにも思えた。その二重性を、この国の象徴と重ね合わせてみた。

未現像の印画紙は、光に対して繊細なため、通常暗室の中で扱うものである。一度光にさらされた印画紙は、現像しても真っ黒な写真となり、たとえ、かつてそこに何かの画像が露光されていたとしても、出来上がった写真にその面影はない(しかしその画像は確かに刻まれている)。未現像の印画紙を太陽光に当てると、表面に塗られた乳剤が変色する。はじめは黄、つぎに赤、そして青、それらの色が部分から全体へと広がっていく様子は冬の朝焼け色に似ている。最後には青紫と赤茶を混ぜたような色に落ち着くが、その後も現像をしない限り、感光は続く。

Installation view  "Meiangannen", spiid, Tokyo

© Yuki Maniwa