​Yuki Maniwa

山本七平の『日本的根本主義について』やロラン・バルトの『表徴の帝国』で述べられている空虚な中心をテーマに映画的手法を用いて制作した映像作品。多神教の国でありながら新しく一神教的な何かを希求しつづけてきた日本に対する疑問、それによって確実に大きくなり表面化しつつある歪み、先行きの不透明さという大きな問題を、循環形式のなかに二人の登場人物を配置し物語を二つの別ルートに分岐させることによって、日常的に繰り返されている身近な個人の物語として描いた。